ここでは、指値注文の補助機能(注文戦略)について説明いたします。
指値注文の補助機能(注文戦略)はGTC・FOK・IOCの3種類がございます。
一つずつ説明させていただきます。
各々の特徴を簡単に記載しますと、以下の通りです。
GTC:約定できる分だけ約定し、残った注文も維持する。
FOK:条件を完全に満たす場合のみに約定し、即座に約定できない場合、注文はキャンセルされる。
IOC:条件を満たす注文があれば、一部であっても約定し、残った注文はキャンセルされる。
各々の説明はテキストだけではわかりにくいと存じますので、ページ下部にある具体例・表もご参考にしてください。
1.GTC(Good Till Canceled)
GTCは、注文が完全に実行されるか、トレーダーが手動でキャンセルするまで有効な注文戦略です。
GTCは、すべての注文が指定された価格で完了するの待つことができ、約定されていないをいつでも柔軟にキャンセルできます。
GTCは、指値注文のキャンセルを自分で行いたいトレーダーに便利な機能といえるでしょう。
2.FOK(Fill or Kill)
FOKは、注文量の全てが注文価格またはそれ以上の価格で直ちに約定することを条件にした注文戦略です。
FOKで注文を出した場合、定めた条件で約定しない場合、注文はすぐにキャンセルされます。
3.IOC(Immediate or Cancel)
IOCは、即座に処理できる分だけ注文を約定し、約定できなかった注文はキャンセルされる注文戦略です。
ここからはGTC・FOK・IOCのそれぞれを、具体例を見つつ説明いたします。
市場状況が以下の表のとき、トレーダーが注文量10,000、注文価格11,800で注文をGTC・FOK・IOCで出したとき、それぞれの約定される結果をみてみましょう。
1. GTCで注文した場合、価格11,800で5,000取引量だけ約定できるため、この分は約定されます。
トレーダーの注文量は10,000だったため、残り5,000の注文量がまだあるため、この注文も維持されます。
2. FOKで注文した場合、価格11,800、注文量10,000で約定される取引が市場(注文板)に存在しないため、この注文は一部も約定されず、キャンセルとなります。
3. IOCで注文した場合、価格11,800で5,000取引量だけ約定できるため、この分は約定されます。
残り5,000の注文量がまだありますが、こちらの注文はキャンセルされます。